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理科専修で開設している「理科」の「課程基幹科目」と「教職科目」の説明

該当の科目は、「理科教育Ⅰ」、「理科教育Ⅱ」、「教科概説「理科」」、および「教職実践演習(小・中・高)」です。いずれも必修科目ですので必ず履修して下さい。これらの科目は大きくは「理科教育」という分野に該当します。「理科教育」は、「理科」の4領域(物理学・化学・生物学・地学)を対象とし、理科の実験・観察、及び理科の指導方法について学修する教科です。
対象としている校種の中心は小学校ですが、中学校・高等学校への移行も踏まえて授業ができるようになることが重要です。体験的学習が主となる小学校理科において、子供たちの自然に関する興味・関心を喚起し、理科の実験・観察を楽しいと感じられるものとすることは重要ですが、楽しいに終始していては、自然科学の概念の一般化・抽象化を含む中学校理科への移行が難しくなります。子供たちが楽しく学ぶ中で、自然を愛する心を持ち、根拠に基づいた客観的な視点や論理的思考能力を身につけるには、教える側となる皆さんが、自然を愛し、自然の本質を理解し、自然の背景にある理論を踏まえた系統的な実験・観察を体験できる授業をすることが重要であるということを常に意識して取り組んで欲しいと思います。

①理科教育Ⅰ(山野井、加藤、片平)

講義と体験実験(Point Lesson、PL)を中心に行う。オリエンテーション以降の回では、生物・物理・化学・地学の各分野の代表的な実験を体験し、自然科学体験の深化を促進する。毎回、前半では実験の背景や意義・目的を概説する。これを受けて後半に実験を行い課題およびレポートを提出する。これらの活動を通して理科の教育方法に関する理解と技能を深めていく。なお、ここで学んだ知識は、教員採用試験でも毎年のように試されている内容である。

理科教育Ⅱ(山野井、加藤)

4〜5名からなる班を10班作り、第4回目以降、1回の授業につき1班が45分間の小学校理科の模擬授業(Student Teaching、ST)を行います。授業内容は実験・観察内容とします。授業の後半では全員で内容の検討を行い、指導案、授業の進め方,評価方法などについて意見を述べ合います。このようなSTを行うことで、互いに検討し合いながら教員としての資質や指導力を身につけることを目的とします。

②教科概説『理科』(山野井、大石)

小学校理科の目標は、自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせて自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を養うことです。そのために教える側としては、対象となる児童のレベルに応じた基礎知識のみならず、質問などにきちんと答えられる程度の学力を持っておく必要があります。この教科概説「理科」では、まず科学の見方・考え方や生物の変遷など小学校理科全体を俯瞰するような内容を学習し、さらに、地学・物理・化学・生物の各分野について基礎として知っておくべき事柄を概説します。

③教職実践演習(小・中・高)(山野井)

本科目は、教師としての資質・能力が大学での4年間を通して確実に身についたかを確認するための科目である。少人数での討議、模擬授業、講義などを通して、本学が目指す教員像である「人間愛の精神にもとづき、子どもの可能性を信じて、自ら学び続ける教員」にどこまで到達できたかを自己確認することを目的とする。