総合講座V(三木担当分) 今日のおすすめ                22・9・13現在
 
 
T.「山」の信仰と生活文化
 
○杉谷 隆・平井幸弘・松本 淳(2005):『風景のなかの自然地理 改訂版』,古今書院,140p.
 私が担当する3回で、最も頻出する(つまり、最も頼りにしている)文献です。初学者向けの「自然地理学」教科書として編まれたもので、火山・山と川・森林など、目に見える風景によって各章が構成されています。図版も多く、理解の助けになります。
 
 
U.「野」の信仰と生活文化
 
○飯嶋和一(1999,初出1997):『神無き月十番目の夜』,河出文庫,383p.
 江戸時代初期の常陸国(現、茨城県)で起きた一村皆殺し事件を題材とした歴史小説です。農山村を支えるものが稲作だけではないことや、それにも関わらずこの時期に政治の面から稲作が主役になっていく様子がよくえがかれています。この著者の作品(『雷電本紀』・『始祖鳥記』・『黄金旅風』)はいずれも力作ぞろいで、江戸時代のしくみについてのよい勉強になると思います。2005年に小学館文庫から再刊されました。
 
 
V.「水」の信仰と生活文化
 
○加藤 真(1999):『日本の渚 −失われゆく海辺の自然−』,岩波新書,220p.
 河口・干潟・砂浜・珊瑚礁といった日本の海辺の現状を訪ね歩き、その保護をよびかけた一冊です。「水辺」が「水際」に変わっていく過程で、いかに多くの自然が失われていったかを述べています。環境保護運動もまずは地道な現状認識から、と思わされます。
 
 
 
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