日本教育心理学会第49回総会準備委員会

                              委員長   藤 原 正 光

 

 日本教育心理学会第49回総会のご案内をいたします。開催期間は、915日(土)、16日(日)、17日(月・祝)の3日間で、文教大学越谷校舎にて開催いたします。会場は、東武伊勢崎線の北越谷駅(上野駅から約50分)から徒歩約10分の所にあり、校舎の前には元荒川が流れている閑静な環境にあります。本学会のような大規模な学会のお引き受けは初めての経験であり、準備委員一同戸惑いながらも懸命に準備に励んでおります。

 今日、家庭崩壊による子育ての放棄、乳幼児の虐待、学校におけるいじめや不登校の問題、学校の荒れや学力の低下、地域においては教育力の低下など、子どもを巡るさまざまな出来事が社会問題化しています。準備委員会では、乳幼児期から青年期までの子どもたち一人ひとりの健やかな成長を願い、学校や家庭や地域社会からの支援を理論的にかつ実践的に考え・取り組むことの大切さを再認識し、「子育て支援」をスローガンに掲げ、特別講演・シンポジウム・セミナーを企画してまいりました。

 会員の皆さんからは、ポスター発表約800件、自主シンポジウム43件の応募がございました。例年にも増して多数のご応募に感謝申し上げます。

 特別講演については、3題を予定しております。初日(15日)はデビット・ジョンソンDavid W. Johnson氏(ミネソタ大学教授)の特別講演1「協同学習の理論的展開」、2日目(16日)はキャロル・ロビンソン・ザニャートゥCarol Robinson Zanertu氏(サンディエゴ州立大学教授)の特別講演2「今日のアメリカにおけるスクールサイコロジストの実践と卓越したスクールサイコロジスト養成課程の開発」、3日目(17日)は勝俣悦子氏(鴨川シーワールド獣医師)の特別講演3「イルカの子育てと自立」です。いずれの講演も、広い意味での「子育て支援」のスローガンに立脚したものになることを期待しております。なお、特別講演3は公開講演とし、地域の市民に開かれたものにしたいと考えております。

さらに、準備委員会企画として、シンポジウム(5件)、セミナー(2件)を予定しております。

シンポジウムは、1)「学級で“協同”を育むアプローチ」、2)「不登校は本当に減ったのか」、3)「子育て支援のこれから―幼稚園・保育所・小・中学校における保護者対応を考える―」、4)「子ども育てと脳科学」、5)「学級作りと授業づくりに向けた特別支援教育」、の5件です。

セミナーは、ロジャー・ジョンソンRoger T. Johnson氏(ミネソタ大学教授)の「教科教育を活かす協同学習」と、秋田喜代美氏(東京大学)および白水始氏(中京大学)の「教授・学習過程における発話データの分析」の2件を企画いたしました。ジョンソン氏には民主的な助け合いの中で展開される教科教育の実践的な学習集団の活動についての講演を、秋田・白水両氏には教授・学習過程における発話データの新しい分析方法をご紹介願えるものと期待しております。

また、学会研究委員会企画のシンポジウム(3件)、チュートリアルセミナー(1件)を予定しております。

シンポジウムは、1)「アートの教育の可能性を拓く―芸術系教科の授業削減計画再考―」、2)「学校組織におけるスクールリーダーの在り方について考える」、3)「心理学に基づく学習支援の実際」、となっております。

チュートリアルセミナーは、下山晴彦氏(東京大学)による「子どものための認知行動療法入門」を予定しております。

なお、日本学校心理士会主催研修会として次の4件が用意されております。1)「保護者との協働を図る工夫」(講師:中原美惠(東洋大学))、2)「魅力ある授業づくりを支援する学校心理士の役割と課題」(講師:小野瀬雅人(鳴門教育大学))、3)「いじめ―正しい理解と予防・対応―」(講師:松尾直博(東京学芸大学)、4)「よりよい特別支援教育の体制構築のポイント―保護者を支える担任、担任を支える援助体制―」(講師:上村恵津子(信州大学))、となっております。

一方、「臨床発達心理士」資格認定委員会主催シンポジウムとして、「臨床発達心理士の専門性―組織の中からの支援を考える―」が、日本臨床発達心理士会主催シンポジウムとして、「発達的視点に基づく巡回相談とは?―臨床発達心理士の特別支援教育における実践;個と関係への支援―」が、それぞれ予定されております。

以上が主なアカデミックプログラムです。

例年開催されております懇親会はビアパーティと名称を換え、2日目の夕方に学生食堂で開催いたします。9月中旬のまだ残暑厳しき折、昼間の知的交流の疲れをビール片手に会員の皆様との歓談の中で癒していただけたら、と願い企画させていただきました。

大学での学術交流もさることながら、これを機会に日光や鬼怒川に足を伸ばされたり、上野の美術館や動物園あるいは都内の名所巡りなども、楽しいリフレッシュのひと時となるのでは、と思っております。

今後の日程は、プログラムの発送は7月、発表論文集の発送は8月を予定しております。

なお、キャンパスのスペースの関係上、お車でのご来校はご遠慮ください。ご協力よろしくお願いいたします。

ご不明な点がございましたら下記のホームページをご覧ください。なお、ご連絡はできる限りE-mailにていただければ幸いです。

皆様のご参加をこころよりお待ちしております。