研究のテーマ

<研究テーマ>



これまで一貫して継続してきた研究テーマは、
心と身体の体験の統合をめざす「癒し」のためのホリスティック・アプローチです。

具体的には、動作法による自閉症児のコミュニケーションの援助、
注意欠陥多動障害児のセルフコントロールの援助、脳性まひ児の動作不自由の改善、
不安神経症や抑うつの改善などに関する研究です。

最近は、身体の体験を基盤にした認知行動療法の開発に加えて、
催眠と動作法、気功法などを取り入れた援助方法の開発研究も行っています。

また、心と身体の共有体験による相互理解を重視した家庭・学校・地域社会の援助方法や
スーパービジョンの方法を開発中です。


<現在の研究>



現在、次のような研究を行っています。

1つ目は、
動作法による自閉症児や、
重度発達障害児における共同注意(joint attention)と「心の理解」の形成です。


2つ目は、
動作法による抑うつスキーマの変容過程に関する研究です。

これは、抑うつスキーマの背景となっている身体の体験過程の再構成を目指す
新しい認知行動療法の開発研究です。


3つ目は、
「懐かしさ出会い療法」と呼ぶ高齢者の回想法の開発です。

これは、動作法の快適な体験が過去との「懐かしい出会い」をもたらし、
その人の人生の再統合を促進することが期待できる方法です。


4つ目は、
吉川延代さんと共同で研究を進めている、「妊婦への動作法」の援助です。

これは、妊娠初期から出産期までの一定期間、妊婦に対して定期的に動作法の援助を行うものです。
「妊婦への動作法」は、妊婦が心身ともに自身の環境の変化に適応し、胎児を健康に育み、良好な愛着関係を促進することを目的としています。

これまでの研究結果から、動作法による快適な心身の体験は、
胎動の誘発や胎動に対する妊婦のポジティブな知覚をもたらし、
胎児への愛着形成を促進することが分かっています。

この研究の成果は、「児童虐待の世代間伝達」の予防にも有効であると考えられます。


5つ目は、
軽度発達障害児をめぐる、動作法による家庭、学級、学校、地域への包括的援助です。


6つ目は、
障害児者施設へのコンサルテーションに関する基礎的、臨床的研究です。


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